欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/4/13

EU産業・貿易

キプロス、資本規制を全面解除

この記事の要約

キプロス政府は6日、金融危機対策として2年前から実施してきた資本規制を全面解除した。危機が沈静化し、銀行の取り付け騒ぎが生じる懸念がなくなったと判断したもので、規制解除後も金融システムは正常を保っている。 キプロスは20 […]

キプロス政府は6日、金融危機対策として2年前から実施してきた資本規制を全面解除した。危機が沈静化し、銀行の取り付け騒ぎが生じる懸念がなくなったと判断したもので、規制解除後も金融システムは正常を保っている。

キプロスは2013年3月、経済的に深い結びつきがあるギリシャの信用不安が飛び火して金融・債務危機に陥ったことから、EUと国際通貨基金(IMF)から最大100億ユーロの金融支援を取り付けた。その条件として銀行の再編、大手銀行の預金者に一定の負担を強いることを求められたため、取り付け騒ぎを防ぐ目的で資本規制を導入した。

政府は金融支援で危機が終息しつつあることから、規制を段階的に緩和し、これまでに預金引き出し制限、個人・法人による国内銀行間での資金移動の制限、法人の国外送金制限などを撤廃していた。6日には最後に残っていた個人の国外送金、旅行者が一度に国外に持ち出せる額の制限を解除し、規制をすべて撤廃した。