欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/7/27

EU情報

ノキアのアルカテル買収、欧州委が承認

この記事の要約

欧州委員会は24日、フィンランドの通信機器大手ノキアが仏同業アルカテル・ルーセントを買収する計画を承認したと発表した。両社の取引を認めた場合、ノキアは中核の移動体通信向けインフラ事業でスウェーデンのエリクソンに次ぐ世界4 […]

欧州委員会は24日、フィンランドの通信機器大手ノキアが仏同業アルカテル・ルーセントを買収する計画を承認したと発表した。両社の取引を認めた場合、ノキアは中核の移動体通信向けインフラ事業でスウェーデンのエリクソンに次ぐ世界4位に浮上するが、同分野では複数の強力なライバルが激しいシェア争いを展開しているため、買収によって競争が阻害される可能性は極めて低いと判断した。

ノキアは4月に156億ユーロでアルカテルを買収すると発表した。市場調査会社バーンスタイン・リサーチによると、買収によってノキアの携帯通信向けインフラ部門のシェアは35%に拡大。中国の華為技術や韓国のサムスン電子を上回り、エリクソンに次ぐ事業規模となる。

欧州委は声明で、アルカテルとの合併が実現した場合、ノキアの市場シェアは複数の通信機器分野で30%以上に拡大するものの、両社の重複事業は限られているうえ、ノキアは欧州市場で強固な基盤を持つ一方、アルカテルは北米市場に強いと指摘。買収計画を認めても引き続き公正な競争が維持されると判断したと説明している。