欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/10/19

西欧

三菱レイヨンが独に工場、炭素繊維中間基材生産へ

この記事の要約

三菱レイヨンは13日、繊維強化プラスチック(FRP)の中間基材の一種であるSMCの生産施設を独南部のバイエルン州に新設すると発表した。欧州における炭素繊維・複合材料事業の強化・拡大に向けた措置で、来年9月に操業を開始。自 […]

三菱レイヨンは13日、繊維強化プラスチック(FRP)の中間基材の一種であるSMCの生産施設を独南部のバイエルン州に新設すると発表した。欧州における炭素繊維・複合材料事業の強化・拡大に向けた措置で、来年9月に操業を開始。自動車向けに供給していく。

欧州では燃費規制の強化を背景に車体軽量化の動きが活発化しており、高い強度と軽さを併せ持つ炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を、生産台数の限定された高級車だけでなく量産車にも本格採用する動きが加速している。同社はこうした動向を踏まえ今回の決定を下した。

SMCは繊維を樹脂中に分散させたシート状の材料をプレス成形により加工した中間基材。炭素繊維の織物に樹脂を含浸させたプリプレグ中間基材と比べて、複雑な形状の部材を短時間で成形することができる。また、金属と同様に機械特性が均質であるため、従来の部品設計ノウハウを活かしながら比較的容易に軽量化と高強度化を実現できるメリットもある。三菱レイヨンは新たにSMC中間基材をラインナップに加えることで、大手自動車メーカーをはじめとするユーザーへの提案力を強化し、欧州における炭素繊維・複合材料事業を拡大していく。