2015/11/9

東欧・ロシア・その他

ルーマニア内閣総辞職、ディスコ火災の批判を受け

この記事の要約

ルーマニアのポンタ首相(民主社会党)は4日、内閣総辞職を発表した。10月30日のディスコ火災を機に反政府運動が急速に広まったことが原因。ポンタ首相は今年7月に資金洗浄疑惑で起訴され、辞任への圧力が高まっていたが、これまで […]

ルーマニアのポンタ首相(民主社会党)は4日、内閣総辞職を発表した。10月30日のディスコ火災を機に反政府運動が急速に広まったことが原因。ポンタ首相は今年7月に資金洗浄疑惑で起訴され、辞任への圧力が高まっていたが、これまでは任期満了の2016年まで首相を務める意思を示していた。

首都ブカレストで起こった30日のディスコ火災は32人の死者、200人弱の負傷者を出す惨事となった。消火後に非常口が欠如していたことや、遮音材として可燃材を使っていたことなどが明らかになると、市民の怒りが爆発。「汚職にまみれる政治行政当局がおざなりな防火対策を許した」として抗議行動が広がった。3日夕にブカレストで行われたデモには、チャウシェスク大統領(当時)が退陣した1989年以来、最大規模の2万人が参加し、ポンタ首相、オプリャ内相の辞任と火災の責任者の処罰を求めた。

汚職対策局(DNA)は今年6月に首相に対する捜査を開始した。容疑は、就任前の2007~11年に、弁護士として文書偽造、脱税、資金洗浄に関わったというものだ。また、ショヴァ国家インフラ・外国投資相を大臣に任命する以前に、同相から架空の契約に基づく報酬を受け取っており、首相としての利益相反行為も疑われている。

議会はDNAによる逮捕許諾(不逮捕特権のはく奪)請求を却下し、その後、2回行われた信任投票でも首相への信任を確認。ポンタ首相は、次回選挙が行われる2016年12月まで首相職を務める姿勢を示していた。

しかし、ルーマニアの有権者は昨年11月の大統領選挙で、当選が有力視されていたポンタ首相ではなく、汚職対策と司法の独立を掲げるヨハニス候補を選んだ。政治や行政の透明性を求める国民の意識の高まりを示したもので、これが今回の内閣総辞職につながったもようだ。