2015/11/23

EU情報

EUが域外との国境審査を厳格化、新たなテロ対策で合意

この記事の要約

EU加盟国は20日、パリの同時多発テロを受けて緊急の内相・法相理事会を開き、EU域外との国境審査を厳格化することなどで一致した。パリのテロでは実行犯が各国の監視をかいくぐってシリアからフランスに入国した事態を踏まえ、加盟 […]

EU加盟国は20日、パリの同時多発テロを受けて緊急の内相・法相理事会を開き、EU域外との国境審査を厳格化することなどで一致した。パリのテロでは実行犯が各国の監視をかいくぐってシリアからフランスに入国した事態を踏まえ、加盟国がより緊密に連携してテロ対策を強化する。

今回の事件ではシリアで過激派組織「イスラム国」(IS)に参加した戦闘員らがフランスに入国し、犯行に及んだとされる。特に首謀者のアブデルハミド・アバウド容疑者(死亡)は以前からベルギー当局が国際指名手配していたにもかかわらず、密かにシリアから欧州に戻っており、加盟国による情報共有が十分に行われていない実態が浮き彫りになった。

EU加盟国の大部分を含む欧州26カ国はシェンゲン協定に基づき、域内での移動に際してパスポート審査を原則免除しているが、閣僚理はテロリストの監視強化に向け、早急に同協定の見直し案をまとめるよう欧州委に要請した。また、これまではEU市民が域外との国境を通過する際も係官がパスポートを目視でチェックするだけだったが、今後はEU共通のデータベースで身元を照合し、ISから帰還した戦闘員などが域内に入り込むのを阻止する。さらに、旅客機の搭乗者名簿の提出を航空会社に義務づける制度を年内に導入し、危険人物の動向を把握しやすくする。

加盟国はこのほか、銃の所有や管理に関する現行ルールを見直し、ネット上で銃や弾倉などを購入しにくくしたり、個人が所有できる銃の種類を限定することなどで合意した。さらに、テロ資金の根絶に向けて各国の資金情報機関(FIU)の連携を強化し、欧州刑事警察機構(ユーロポール)を中心に関連機関による情報共有システムの構築を急ぐことでも一致した。

カズヌーブ仏内相は「パリ同時多発テロの首謀者がシリアから欧州に戻ったとの情報は、欧州のどの国からも入らなかった」と指摘。「各国が連携してただちに対策を強化しなければ欧州はテロとの戦いで敗北する」と述べ、加盟国に結束を呼びかけた。