EUは16日開いた農業・漁業相理事会で、フィリピンとの自由貿易協定(FTA)の交渉開始を決定した。加盟国は欧州委員会に交渉権限を付与することでも合意し、FTAの早期締結に向けて「野心的なアプローチ」を取るよう求めた。
EUは2007年4月、東南アジア諸国連合(ASEAN)との間で地域間のFTA締結に向けて交渉を開始した。しかし、ミャンマーの民主化問題などが障害となって09年12月に交渉を中断し、その後はASEAN加盟国との個別交渉に方針を転換。これまでにシンガポールおよびベトナムとのFTAが最終合意に達したほか、現在はマレーシアおよびタイと交渉を進めている。
欧州委によると、EUはフィリピンにとって4番目の貿易相手で、2013年の貿易額は約110億ユーロに上り、このうちEUからの輸出が約57億ユーロとなっている。