EU統計局のユーロスタットは16日、10月の消費者物価統計を発表した。これによるとユーロ圏のインフレ率(確定値)は前年同期比0.1%となり、速報値の0%から上方修正された。(表参照)
速報値ではエネルギーがマイナス8.7%となっていたが、下げ幅が8.5%に改定。工業製品も上げ幅が0.4%から0.6%に上方修正された。価格変動が激しいエネルギー、食品・アルコール・たばこを除いた基礎インフレ率は前月を0.2ポイント上回る1.1%となった。
EU28カ国ベースのインフレ率は0%だった。主要国ではドイツが前月のマイナス0.2%から0.2%のプラスに転じた。フランスは0.2%、イタリアは0.3%、スペインはマイナス0.9%となった。
ユーロ圏では9月にインフレ率が3月以来のマイナスとなり、デフレ懸念が強まっていた。再びプラスに転じたものの、なお物価が上がりにくい状況が続いていることから、市場では欧州中央銀行(ECB)が12月に追加金融緩和を決めるとの見方が揺らいでいない。