欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/6/2

西欧

アルストムとの事業交換、16日までに正式提案=シーメンス

この記事の要約

米ゼネラル・エレクトリック(GE)に対抗し、仏アルストムのエネルギー部門の取得に乗り出している独シーメンスは、6月16日までに正式な提案を行う方針だ。フランス法人トップのクリストフ・ド・メーストル氏が5月27日明らかにし […]

米ゼネラル・エレクトリック(GE)に対抗し、仏アルストムのエネルギー部門の取得に乗り出している独シーメンスは、6月16日までに正式な提案を行う方針だ。フランス法人トップのクリストフ・ド・メーストル氏が5月27日明らかにした。

GEは4月末、アルストムの発電用タービン、送配電機器などエネルギー部門を123億5,000万ユーロで買収することを提案し、アルストム取締役会の支持を取り付けた。シーメンスの対抗案は、同社の高速鉄道、機関車部門とアルストムのエネルギー部門を交換するとうもの。さらに、アルストムの鉄道信号部門を買収して新会社を設立するが、本社はフランスに置く。

シーメンスは同案を打診するにとどまり、正式な提案は見送っている。このため、一部では同社に計画を実現するつもりはなく、揺さぶりをかけることでGEによる買収を阻止することだけが狙いとの見方も出ていた。

しかし、ド・メーストル氏は仏議会の経済委員会で、事業交換に向けた資産査定を5月7日に開始したことを明らかにし、来月16日までに正式な提案を行う意向を表明。アルストムがエネルギー部門を手放すだけに終わるGEの提案と比べて、同社の案はアルストムとシーメンスが「連合」を組むもので、エネルギー、鉄道の2分野で「欧州のチャンピオン企業が生まれる」として、GEによる買収に難色を示している仏政府に秋波を送った。シーメンスが取得する部門の仏従業員の雇用を3年間は保証することも確約した。