英エンジニアリング大手ウィアー・グループは5月28日、フィンランド同業メッツォを買収する計画を断念すると発表した。同社は4月、鉱業向け事業の拡充に向けて、メッツォに買収を提案。拒否されたことから買収額を引き上げたが、メッツォの姿勢は変わらなかった。
石油ガス産業向けのバルブ、ポンプ製造を中核事業とするウィアーは、鉱業向け部門にも力を入れるため、岩盤破砕機など鉱業用重機で世界最大手であるメッツォの買収に乗り出し、4月1日に株式交換方式での買収を提案。しかし、メッツォは買収条件を不満とし、4月中旬に拒否を表明した。
これを受けてウィアーは先ごろ、最終提案として1株当たりの買い取り価格を13%引き上げ、メッツォの価値を46億ユーロと評価したが、メッツォ取締役会が「当社の価値を過小評価している」として27日に拒否を通告してきたことから、計画を断念した。