欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/6/30

西欧

テレフォニカ、独携帯電話通信網の一部を売却

この記事の要約

スペイン通信最大手のテレフォニカは25日、ドイツ部門のテレフォニカ・ドイチェランドが保有する携帯電話サービス用通信網の一部を国内同業ドリリッシュに譲渡することで合意したと発表した。ドイツでの買収の認可に向けた措置となる。 […]

スペイン通信最大手のテレフォニカは25日、ドイツ部門のテレフォニカ・ドイチェランドが保有する携帯電話サービス用通信網の一部を国内同業ドリリッシュに譲渡することで合意したと発表した。ドイツでの買収の認可に向けた措置となる。

テレフォニカは昨年7月、オランダ通信最大手KPN傘下のEプルスを総額85億5,000万ユーロで買収することで合意した。Eプルスは加入者数で独3位の携帯電話サービス会社。同4位のテレフォニカ・ドイチェランドとEプルスが統合して誕生する新会社は、ドイツテレコム傘下のTモバイル、英ボーダフォンを抜いて独携帯電話サービス市場で1位に躍り出る。

EUの欧州委員会は同買収計画に関して、ドイツで独自の通信ネットワークを保有する大手携帯電話サービス会社が4社から3社に減り、大手による寡占化が進んで健全な競争が阻害される恐れがあるとして難色を示し、2月にテレフォニカに異議告知書を送付していた。テレフォニカは買収認可を取り付けるための競争上の是正策として、自前の回線を持たない仮想移動体通信事業者(MVNO)のドリリッシュに対して、テレフォニカ・ドイチェランドとEプルスが保有する通信網の20%を向こう5年間で売却することを決めた。同取引は欧州委による買収認可が条件となる。