2014/4/14

総合 – 欧州経済ニュース

仏新内閣が議会で信任、首相は減税表明

この記事の要約

3日に発足したフランスの新内閣が8日、下院(国民議会)の投票で信任された。バルス新首相は採決前に行った所信表明演説で、財政緊縮一辺倒から方向転換し、減税によって景気を押し上げる方針を表明。賛成303、反対239で信任を取 […]

3日に発足したフランスの新内閣が8日、下院(国民議会)の投票で信任された。バルス新首相は採決前に行った所信表明演説で、財政緊縮一辺倒から方向転換し、減税によって景気を押し上げる方針を表明。賛成303、反対239で信任を取り付けた。

フランスは単年の財政赤字を国内総生産(GDP)比3%以内に抑えることを義務付けるEUの財政規律に2007年から違反しており、財政均衡に向けた厳しい緊縮策を導入してきた。これが成長を妨げる大きな要因となり、失業率は5年以上にわたって10%を超えている。3月末の統一地方選では、こうした状況を受けて与党が大敗し、オランド大統領が内閣改造を迫られた。

バルス首相は所信表明演説で、「苦しいばかりで、希望がない。これがフランスの現状だ」と切り出し、国内に漂う閉塞感の打破に向けた成長戦略の推進を表明した。

その柱として打ち出した減税策は、◇低所得者の給与税を被雇用者に負担させる制度を2016年までに廃止する(減税規模300億ユーロ)◇低所得層の減税(同50億ユーロ)◇法人税の標準税率を2020年までに現行の33%から28%に引き下げる――という内容。

一方、2015~17年に歳出を500億ユーロ削減するというオランド大統領が昨年末に打ち出した政策については、維持を表明。減税分を中央政府の歳出190億ユーロ削減、公的健康保険への支出100億ユーロ削減、地方自治体の歳出100億ユーロ削減のほか、行政改革によるコスト削減で穴埋めする方針を示した。行政改革では、県の集まりである地域圏を現在の22から11に減らすという大胆な案を示した。

財政赤字削減に関しては、新内閣のサパン財務相が先ごろ、2015年となっている財政規律違反の解消期限の延長をEUに要請する意向を示し、大きな波紋を広げたばかり。これについてバルス首相は、踏み込んだ発言は避けながらも、「欧州のパートナーに、成長と安定した財政の適正なバランスが必要であることを説明していく」と述べた。

EUの重債務国では、イタリアの新政権も同日、大型減税を打ち出しており(後続記事参照)、成長重視に転換する動きが強まっている。