セメント大手の仏ラファージュとスイスのホルシムは7日、合併で合意したと発表した。誕生する新会社「ラファージュホルシム」は売上高が390億ユーロに上る巨大セメント会社となる。
合併は株式交換方式で実施する。両社は対等合併としているが、新会社の持ち株比率はホルシム株主が53%となり、実質的にホルシムがラファージュを吸収する形となる。
ラファージュホルシムは本社をスイスに置く。最高経営責任者(CEO)には、ラファージュのブルーノ・ラフォンCEOが就任。ホルシムの次期会長就任が決まっていたウォルフガング・ライツレ取締役が会長となる。
セメント販売でホルシムは世界1位、ラファージュは同2位。両社を合わせた2013年の販売量は約2億7,500万トンに達し、3位の独ハイデルベルグセメントの3倍を超える。
両社は世界のセメント需要が2008年の世界金融危機以降に落ち込み、事業環境が厳しくなる中、経営効率化のため合併を決めた。販売の6割を占める新興市場は、ラファージュがアフリカ、中東、ホルシムが中南米で強みを持ち、補完関係にあることが大きな要素となった。両社は向こう3年間で年間14億ユーロのコスト節減効果を見込んでいる。
両社は2015年上期の合併手続き完了を目指す。ただ、業界1位と2位の合併だけに競争上の大きな問題があり、EUのほかカナダなど多くの国の競争当局が認可に難色を示すのは必至の情勢。両社は認可を取り付けるため、営業利益ベースで10~15%に相当する事業の売却を検討していることを明らかにした。ラファージュのラフォンCEOによると、うち3分の2が西欧関連という。