英国のジョンソン首相は5月25日、新型コロナウイルスの感染拡大を抑制するため実施している外出・営業制限など「ロックダウン」措置を追加緩和すると発表した。6月1日から屋外市場、自動車ショールームの営業を再開。15日からはすべての小売店の再開を認める。
英政府は3月23日にロックダウン措置を導入。5月10日に段階的に緩和する計画を発表し、これまでに建設業や製造業など在宅勤務が困難な業種について出勤を奨励し、1日1回としていた運動のための外出制限を撤廃していた。
今回の緩和は、これらに続く第2弾。これまで小売業では社会、生活の維持に不可欠な食料品店、薬局などに限って営業が認められていたが、15日からは百貨店、ショッピングモールや衣料品、家具、玩具、家電を扱う店舗など、すべての店が営業できる。人との距離を取るソーシャルディスタンスなど新型コロナ感染予防対策を講じることが条件となる。
英国の新型コロナウイルス感染者は欧州でロシアに次ぐ規模で、これまでの死者数は欧州最悪の約3万6,000人に達している。25日に発表された公式統計では、死者数は前日から121人増加した。それでもジョンソン首相は、1日当たりの感染者と死者数が減少傾向にあり、1人の感染者から新たに何人に感染したかを示す「実効再生産数」も低下していることから、予定通り第2弾の制限緩和に踏み切ることを決めた。
レストランや美容院、ネイルサロン、パブ、クラブなどは感染リスクが高いとして緩和対象から外れ、少なくとも6月中は営業が禁止される。