米メルク、オーストリアのワクチン企業を買収

米製薬大手メルクは5月26日、オーストリアのワクチンメーカーのテミス・バイオサイエンスを買収すると発表した。テミスは新型コロナウイルスのワクチン開発を進めている企業。メルクは同日、米国の非営利の研究団体「国際エイズワクチン推進構想(IAVI)」と新型コロナのワクチン開発で提携することも明らかにした。

テミスの買収額は非公表。同社は仏パスツール研究所と共同で新型コロナのワクチンを開発している。同ワクチンは重症急性呼吸器症候群(SARS)向けワクチンの技術を転用したもので、メルクによると数週間以内に臨床試験を開始する予定だ。

IAVIと共同開発するワクチンは、年内の臨床試験開始を見込む。このほかメルクは同日、米バイオテクノロジー企業のリッジバック・バイオセラピューティクスと新型コロナウイルス感染症の治療薬開発で提携することを明らかにした。

世界の製薬会社は新型コロナのワクチン。治療薬開発でしのぎを削っているが、メルクは出遅れていた。今回の買収、提携により巻き返しを図る。

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