独でロックダウン再発動、西部NRW州で

ドイツ西部のノルトライン・ヴェストファーレン(NRW)州政府は23日、新型コロナウイルスの大規模な集団感染が発生したギュータースロー郡などを対象にロックダウン(都市封鎖)を再導入した。接触・営業規制の緩和後にロックダウンが実施されるのはドイツで初めて。36万人が影響を受ける。アーミン・ラシェト州首相はこれまで、市民生活を強く制限するロックダウンの再導入に慎重な姿勢を示してきたが、感染が広い地域に拡散するリスクを踏まえ苦渋の決断を余儀なくされた格好だ。

NRW州ではギュータースロー郡レーダ・ヴィーデンブリュック市にある食肉加工大手テンニースの本社工場で、17日に新型コロナの集団感染が確認された。感染者数は22日までに1,553人に達しており、同工場で働く7,000人は家族とともに7月2日まで隔離される。事態を重くみたギュータースロー郡当局は18日付で郡内のすべての保育施設、学校を閉鎖していた。

州政府は今回、ギュータースロー郡と隣接するヴァーレンドルフ郡を対象にロックダウンを発令した。期間は差し当たり30日まで。テンニース社外の感染者数が大幅に増えなければ月末で解除するものの、そうでない場合は延長する意向だ。

ロックダウンの対象となった地区では公共の場での他人との接触が制限される。また、屋内スポーツや文化イベントの開催が禁止され、フィットネスクラブと映画館、バーも営業禁止となる。外出制限はないものの、ラシェット首相は郡外に出ないよう住民に呼びかけた。郡境では出入コントロールを実施する。

独政府と国内16州の政府はロックダウンの緩和を取り決めた5月初旬の遠隔会議で、住民10万人当たりの感染者数が7日間で計50人を超えた郡と特別市(主に大都市と中都市)では制限措置を再び強化することで合意した。ギュータースロー郡では同数値が263.7人に達しており、NRW州はこの合意を踏まえて今回の措置に踏み切った。

上部へスクロール