スペインのカイシャバンク、バンキアと経営統合で合意

スペイン大手銀行のカイシャバンクとバンキアは18日、経営統合で合意したと発表した。規模で勝るカイシャバンクがバンキアの企業価値を43億ユーロと評価し、株式交換方式で買収する格好となる。誕生する新銀行は資産額が6,640億ユーロに上り、国内金融市場で最大手に浮上する。

バンキアの株主は1株につきカイシャバンクの新株0.6845株を受け取る。1株当たりの買い取り価格は、経営統合に向けた協議を進めていることが発表された3日の終値に20%を上乗せした水準となる。2021年1~3月期の統合手続き完了を予定している。

スペインでは金融危機に直面した2008年から銀行の統合が進んでいる。超低金利の長期化とコロナ禍で経営環境が悪化する中、さらなる統合によって業界の体力を強化したい政府の意向に沿って、両行は統合交渉を進めてきた。

両行は声明で、今回の取引を「統合」と形容しているが、事実上は時価総額で3倍、資産額で2倍のカイシャバンクによる買収だ。統合後の新銀行の名前もカイシャバンクとなる。

バンキアは12年に経営不安が深刻化し、政府が224億ユーロの公的資金を注入して救済した銀行。政府が株式61.8%を保有している。今回の統合によって政府の持ち株比率は16.1%に縮小する。

スペインの銀行は現在、バンコ・サンタンデールが最大手、2位バンコ・ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア(BBVA)が2位となっている。両行とも海外事業の比重が大きいため、国内事業に限ると新生カイシャバンクが首位に立つ。

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