イタリアの電子決済サービス大手ネクシは4日、伊同業SIAと合併で合意したと発表した。誕生する新会社は売上高が18億ユーロに上る欧州最大級の電子決済サービス会社となる。
両社は株式交換方式で合併する。事実上はネクシがSIAを46億ユーロと評価し、買収する形で、ネクシの株主が新会社の株式の70%を握る。ただ、 SIAの親会社に当たるイタリア政府系金融機関の預託貸付公庫(CDP)が25%を保有し、筆頭株主となる。2021年夏までの取引完了を予定している。
ネクシは国内での事業展開に集中している。一方、SIAは海外事業の売上高が全体の3分の1を占める。合併で誕生する新会社は国内電子決済サービス市場で約7割のシェアを持つ最大手となるほか、提携する事業者の規模では欧州最大手に浮上する。
欧州の電子決済サービス市場では急成長に伴って統合の動きが活発化しており、ネクシとSIAは1年半前から合併協議を進めていた。
フランスでは大手のワールドラインがアンジェニコを78億ユーロで買収することで2月に合意した。実現するとワールドラインは欧州最大手、世界4位となる。