NECは5日、スイスの金融機関向けソフトウエア大手アバロクを買収すると発表した。アバロクの親会社であるオランダの持ち株会社の全株式を20億5,000万スイスフラン(約2,360億円)で取得する。金融業界のデジタル化推進を支援するサービスの強化が狙いで、2021年4月までの買収手続き完了を見込む。
アバロクは欧州を中心とする世界30カ国の150以上の金融機関に金融ソフトを提供する企業。とくに資産管理向けソフトで大きなシェアを持つ。
NECは金融業界でデジタル技術を活用したサービスが拡大し、同サービス向けソフトの需要が増大していることを受けて、今回の買収を決めた。アバロクの技術を取り込み、自社の生体認証技術、ブロックチェーン技術などと組み合わせた新たなソリューションの創出を図る。
アバロクは急成長しており、親会社の2019年の売上高は前年比6.4%増の6億900万スイスフランに上ったが、データセンターへの投資がかさんだことで最終損益は2,980万スイスフランの赤字だった。