欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/4/14

東欧・ロシア・その他

チェコ国営電力が原発拡張凍結、電力価格下落で

この記事の要約

チェコ国営電力会社CEZは10日、テメリン原子力発電所で原子炉2基を増設する計画を凍結すると発表した。電力価格の下落で投資に見合う収益が見込めないためで、これまで進めてきた入札手続きも中止する。電力市場を取り巻く状況が将 […]

チェコ国営電力会社CEZは10日、テメリン原子力発電所で原子炉2基を増設する計画を凍結すると発表した。電力価格の下落で投資に見合う収益が見込めないためで、これまで進めてきた入札手続きも中止する。電力市場を取り巻く状況が将来、改善すれば、計画再開もありえるとしている。

CEZは09年、将来の電力需要の増加に対応するためテメリン原発の増設計画を打ち出し、拡張工事の施工事業者選定入札を開始した。拡張工事の総工費は推定2,000億~3,000億コルナ(73億~109億ユーロ)で、東芝の米子会社ウエスチングハウス、ロシアの国営原子力会社ロスアトムを中心とする露・チェコの企業連合などが受注を目指していた。

増設凍結の引き金となったのは、2月に発足したソボトカ新政権が9日、原子力で発電された電力に固定価格買い取り制度を適用しないと正式決定したこと。CEZは同制度に基づく公的支援がなければテメリン原発が採算に合わないとして、増設中止に踏み切った。