欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2021/7/12

EU情報

ユーロ圏住宅価格、13年ぶりの高水準に

この記事の要約

EU統計局ユーロスタットが8日に発表したユーロ圏の2021年1~3月期の住宅価格は、前年同期比で5.8%の上昇となった。上げ幅は前期の5.6%から拡大し、2006年10~12月期以来、約13年ぶりの高水準に達した。(表参 […]

EU統計局ユーロスタットが8日に発表したユーロ圏の2021年1~3月期の住宅価格は、前年同期比で5.8%の上昇となった。上げ幅は前期の5.6%から拡大し、2006年10~12月期以来、約13年ぶりの高水準に達した。(表参照)

住宅価格の上昇は、新型コロナ危機対応として欧州中央銀行(ECB)が金融緩和を進めた結果、金融市場に大量の資金が流れ込み、住宅ローン金利が下がって住宅を購入する人が増えているため。ECBによると、21年1~5月のユーロ圏の住宅ローン金利(平均)は1.6%を割り込んだ。ピークだった08年の5.7%を大きく下回り、過去最低水準となった。コロナ禍による行動制限で個人消費が抑えられたことで、貯蓄が増えて住宅購入の余裕が出てきた世帯が多いことも需要、価格を押し上げている。

EU27カ国ベースの上昇率は、07年7~9月期以来の高水準となる6.1%。デンマーク、オランダなどでは10%を超えた。主要国はドイツが9.4%、フランスが5.5%、イタリアが1.7%。スペインは0.9%にとどまった。