欧州委員会は21日、米イーライ・リリーが開発した新型コロナウイルス感染症の中和抗体薬の購入契約を結んだと発表した。EU27カ国のうち18カ国が共同で最大22万人分を調達する。契約額は非公表。
中和抗体薬は抗体カクテル療法で使われる。イーライ・リリーの新薬は抗体薬「バムラニビマブ」と「エテセビマブ」を混ぜて投与するもので、2月に米国で緊急使用が承認された。EUでは欧州医薬品庁(EMA)が「逐次審査」を行っている。
イーライ・リリーの中和抗体薬は、欧州委が6月、開発中のコロナ治療薬の中でも有望で、年内の承認を目指す方針を打ち出した5種の治療薬のひとつ。これまでにスイスのロシュと米リジェネロン・ファーマシューティカルズが共同開発した中和抗体薬、英グラクソ・スミスクライン(GSK)が米ヴィル・バイオテクノロジーと共同で開発した中和抗体薬の購入契約を結んでいた。