中東欧4カ国の送ガス事業者、中欧水素輸送管の敷設で提携

チェコ、スロバキア、ウクライナ、ドイツの送ガス網運営事業者が共同で、中欧を横断する水素パイプライン「中欧水素コリドー」を敷設する計画だ。ウクライナで生産する水素を低コストで欧州に供給するのが狙い。2030年までに最大で日量120ギガワット時(GWh)相当の水素を輸送することを視野に入れる。投資規模は明らかにされていない。

提携を発表したのは、スロバキアのユーストリーム、チェコのネット4ガス、独OGE、ウクライナ天然ガス輸送会社。4社によると、ウクライナには、再生可能エネルギーを利用してグリーン水素を大規模に生産できる条件がそろっている。脱炭素化の動きが進み、EUで水素需要の拡大が見込まれることから、既存の送ガス設備を部分的に利用しながら水素パイプラインを整備する計画が生まれた。すでに技術調査を開始しており、来年には結果が出る見通しだ。

パイプラインはウクライナからスロバキア、チェコを経由し、両国のほか大きな需要が見込めるドイツや他のEU諸国へ水素を輸送する。ロシアが欧州向け天然ガス輸送でウクライナを迂回する姿勢であることから、ウクライナでは輸送料収入の損失を埋める施策の一つとして、水素プロジェクトに大きな期待がかかる。

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