スウェーデンの自動車大手ボルボ・カーは10月29日、ナスダック・ストックホルムに上場した。株価は一時、公開価格の53スウェーデンクローナを22%上回る64.73クローナまで上昇した。新株発行で200億クローナ(約23億2,000万ドル)を調達。新規株式公開(IPO)価格を仮条件(53-68クローナ)の下限に設定し、調達額の目標を当初の250億クローナから引き下げたが、欧州で今年最大規模のIPO案件となった。
ボルボ・カーは2030年までに世界で販売するすべての新車を電気自動車(EV)にする計画で、IPOで調達した資金をEVや電池の開発・生産などに充てる。ホーカン・サムエルソン最高経営責任者(CEO)は、今回の上場はボルボの移行計画が投資家から支持された証であり、今後は約束を実行して「最速の変革者」となるための軌道に乗っていることを示すことが重要だと述べた。
ボルボ・カーは中国の浙江吉利控股集団が2010年に米フォード・モーターから買収した。上場後も浙江吉利が筆頭株主としてボルボ株の過半を握る。
浙江吉利はボルボ・カーを18年に上場する計画だった。しかし、市況が悪化したため先送りを決定。20年に傘下の吉利汽車とボルボを合併し、誕生する新会社を香港証券取引所とストックホルム証券取引所に上場する方針を打ち出したが、2月に同計画を撤回すると発表していた。