イングランドでコロナ規制の大半が解除、オミクロン「ピーク越え」と追加接種で

ジョンソン英首相は19日、イングランドで実施している新型コロナウイルス対策の規制を大幅に緩和する方針を発表した。世界各地で猛威を振るう変異体「オミクロン」の感染がピークを越えたとみられることや、ワクチンの追加接種が進んだことなどを踏まえ、27日から屋内公共スペースでのマスク着用義務などを撤廃する。

ジョンソン氏は同日、下院で演説し、イングランドで導入している規制の大半を解除すると表明した。公共交通機関や映画館などでのマスク着用義務のほか、ナイトクラブなどに入店する際に求められるワクチン接種証明の提示義務を廃止する。在宅勤務の推奨も打ち切る。感染者に対する隔離義務は維持するが、3月24日に期限切れとなる同措置について、状況に応じて期限の前倒しを検討する考えを示した。

英政府は新型コロナとの共生路線を取り、昨年7月にイングランドでほぼすべての規制を撤廃した。しかしオミクロンの流行を受け、11月下旬に屋内公共スペースでのマスク着用義務などの規制を再導入。1月4日には1日当たりの新規感染者数が21万8,724人を記録したが、その後は減少傾向に転じ、現在は10万人程度で推移している。

英政府は1月初旬にかけて新規感染者が連日、過去最高を更新する状況でも飲食店の営業時間短縮といった新たな規制は導入せず、マスク着用や在宅勤務などの基本予防策とワクチンの追加接種で危機を乗り切る戦略を取った。英メディアによると、これまでに12歳以上の60%以上が3回目の接種を済ませている。医療機関への負担はなお続いているものの、重症化リスクが高い高齢者などに3回目の接種が行き渡ったことから規制解除に踏み切った。

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