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2022/1/12

総合・マクロ

台湾が対リトアニア投資基金を設定、総額2億米ドル

この記事の要約

●中国からの外交圧力が高まるリトアニアへの連帯を示す狙い ●半導体、レーザー、バイオテクノロジー分野が投資対象になる見込み 台湾は5日、対リトアニア投資及び貿易拡大を目的とした2億米ドル規模の投資基金を設定すると発表した […]

●中国からの外交圧力が高まるリトアニアへの連帯を示す狙い

●半導体、レーザー、バイオテクノロジー分野が投資対象になる見込み

台湾は5日、対リトアニア投資及び貿易拡大を目的とした2億米ドル規模の投資基金を設定すると発表した。経済関係の強化を通じて中国からの外交圧力が高まるリトアニアの損害を和らげ、同国への連帯を示す狙いがある。

必要資金は、台湾中央銀行の支援を受けて台湾国家開発基金が拠出する。在リトアニア代表処の黃鈞耀・代表は、基金設定を迅速に進め、年内にも最初の具体的な結果を出したい意向を示している。まずは半導体、レーザー、バイオテクノロジーといった分野が投資の対象となりそうだ。リトアニア産の乳製品、穀物の輸入に向けた認可手続きも加速させるという。

リトアニアが台湾に対して首都ビリニュスに「台湾」の名を冠した代表機関開設を認めたことを機に、同国と中国の関係は急速に悪化した。中国はリトアニアとの外交関係を格下げしたほか、先月に入ってリトアニア産品の輸入を事実上停止している。

リトアニアの輸出高に占める中国の割合は1%に過ぎない。しかし、中国は独コンチネンタルなど中国へ製品を輸出する大手企業にもリトアニアからの部品・製品調達中止を求めており、実際にその方針に従う企業も出てきた。

台湾はリトアニアへの連帯を示すため、中国へ輸送中だったラム酒2万本を引き受けた。このほかにも中国国境で立ち往生しているリトアニア製品をできるだけ購入する姿勢を示している。

ヴァルディス・ドンブロフスキス欧州委員会副委員長は先月の時点で、必要と認めれば中国を世界貿易機関(WTO)へ訴えると話している。

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