2019年9月4日

Vossloh:フォスロー―機関車事業を中国中車に売却―

鉄道設備大手の独フォスロー(ヴェルドール)は8月26日、機関車事業を鉄道車両世界最大手の中国中車(CRRC)に売却することで合意したと発表した。

今回の取引により鉄道車両事業からの撤退を完了する。

スペインのバレンシアで展開するディーゼル電気機関車事業(レール・ヴィークルズ)を15年、鉄道車両・自動車向け電気システム事業を17年に売却した。

Aiways:愛馳汽車―欧州参入へ、電気SUVでユーラシア横断デモ走行―

中国の新興電気自動車(EV)メーカー愛馳汽車(Aiways Automobile)が欧州市場に進出する。

欧州で販売されている同サイズの電気SUVが最低8万ユーロに上ることを踏まえると、各段に安い。

欧州市場参入を目指した中国の自動車メーカーはこれまですべて失敗した。

Cloos:クロース―中国の自動化機器メーカーが買収―

ドイツの産業ロボット・溶接機械メーカー、カール・クロース・シュヴァイステヒニクはこのほど、中国の自動化機器メーカー南京埃斯頓自動化股份有限公司(Estun Automation)が同社を買収すると発表した。

建機や鉄道車両、自動車業界向けに溶接機械とロボットを生産している。

南京埃斯頓自動化はクロースの買収を通して世界有数のロボットメーカーになる考えだ。

消費者景況感が横ばい保つ、景気見通しは6年7カ月来の低水準に

市場調査大手GfKが8月28日発表したドイツ消費者景況感指数の9月向け予測値は9.7となり、8月の確定値(9.7)と同水準を保った。

景気の見通しに関する8月の指数(9月向け予測値の算出基準の1つ)は前月を8.3ポイント下回るマイナス12.0となり、2013年1月以来(6年7カ月来)の低水準を記録した。

高額商品の購入意欲に関する8月の指数(同)は2.5ポイント増の48.8へと上昇した。

輸入物価3カ月連続下落、7月の下げ幅2.1%に拡大

ドイツ連邦統計局が8月28日発表した7月の輸入物価指数は前年同月比2.1%減となり、下げ幅は前月の同2.0%から拡大した。

エネルギーの下落幅が14.0%から15.7%へと拡大したことが最大の押し下げ要因で、エネルギーを除いた輸入物価の下落率は0.2%にとどまった。

中間材は1.5%減となり、下げ幅は前月の1.4%からやや拡大した。

「試し労働」中に怪我、労災は適用されるか

ドイツ語に「プローベアルバイト(Probearbeit)という言葉がある。試用期間を意味する「プローベツァイト(Probezeit)」と似たような響きだが、両者には大きな違いがある。
プローベツァイトは無期雇用の正社員として採用する前に試しで採用する期間(通常6カ月)を指す。この期間中は◇有給休暇を取れない◇労働契約を労使双方が予告期間抜きで解除できる――といった点で正社員と違いがあるものの、賃金・給与を受け取る被用者である点では違いがない。
これに対しプローベアルバイトは求人広告などの応募先企業で「試しに働く」ことを指す。期間は1日から数日。この「試し労働」で働く者は被用者ではないため、給与も出ない。応募先企業が働き具合を見て「この人物ならOK」と判断すれば、被用者として採用されることになる。
では、試し労働の最中に怪我をした場合、労災は適用されるのだろうか。それとも、被用者でないため適用されないのだろうか。この問題を巡る係争で社会保障問題の最高裁である連邦社会裁判所(BSG)が8月20日の判決(訴訟番号:B 2 U 1/18 R)で判断を示したので、ここで取り上げてみる。
裁判は廃棄物処理会社で試し労働を行った者が、労災機関を相手取って起こしたもの。原告は同廃棄物処理会社の人材募集に応募し、面接の結果、試し労働を行うことになった。具体的にはごみ収集車に同乗し、ごみを収集する業務を行うことを取り決めた。
原告は同業務の最中、ごみ収集車から転落し、頭部を損傷した。このため、労災の適用を申請したところ、被用者でないことを理由に拒否されたため、提訴した。
原告は下級審を含むすべての審級で勝訴した。最終審のBAGは判決理由で、原告は労災保険の適用を受ける被用者には当たらないとしながらも、廃棄物処理会社の意向を受けて同社の業務を行ったことを強調。原告は「被用者のような存在」として労災保険の適用を受けるとの判断を示した。

独スマホ売上今年も記録更新、平均価格は12%上昇

テレビやデジタルカメラなどの娯楽家電はスマホに押されて7.7%減の86億ユーロへと後退する見通しだ。

スマホの販売台数は2,240万台となり、前年の2,260万台からやや減少するものの、平均価格は12%増の532ユーロと大幅に上昇する。

販売台数は4%減少し、平均価格は昨年を13ユーロ下回る587ユーロとなる見通しだ。

景気低迷が労働市場に影、8月失業者数が実質4000人増加

ドイツ連邦雇用庁(BA)が8月29日発表した同月の失業者数は231万9,000人となり、前月を4万4,000人上回った。

夏場は夏季休業などで雇用が縮小するうえ、職業訓練の修了者や新卒者の多くが失業登録することから例年、失業者が増加するものの、最近は景気減速を受けて求人にやや陰りが出ており、失業者数は季節要因を加味した実質でも4,000人増加した。

8月の求人件数は79万5,000件で、前年同月を3万3,000件下回り、季節要因を加味した前月比でも8,000件減少した。

8月インフレ率1.4%に下落、エネルギーの上げ幅縮小響く

ドイツ連邦統計局が8月29日発表した同月の消費者物価指数(速報値)は前年同月比1.4%増となり、上げ幅(インフレ率)は前月の同1.7%から縮小した。

前月比のインフレ率はマイナス0.2%となり、6カ月続いた上昇にストップがかかった。

欧州連合(EU)基準のインフレ率は前年同月比が1.0%、前月比がマイナス0.1%だった。

中小企業支援戦略を経済相が発表、税負担など軽減へ

ドイツのペーター・アルトマイヤー経済相は8月29日、中小企業の支援に向けた「中小企業戦略」の概要を発表した。

同経済相に対しては中小企業を軽視しているとの批判が出ていたことから、これを踏まえて支援方針を打ち出した。

同相は「ドイツ企業の99.5%は中小企業だ。これらの企業は全売上の約35%、全雇用の60%弱を創出している」と述べ、中小企業が果たす経済・社会的な役割の大きさを強調した。

DIC―BASFの顔料事業買収―

DICは8月29日、独化学大手BASFから顔料事業を譲り受けることで最終合意したと発表した。

BASFから取得する事業は独米の主力2社をはじめ計18社で構成される。

BASFは事業の整理を進めており、顔料事業からの撤退方針を今年初に表明した。

針葉樹林から混合樹林へ転換、温暖化対策で農相が表明

ドイツのユリア・クレックナー農相は8月29日、国内の針葉樹林を針葉樹と広葉樹からなる混合樹林(針広混合樹林)へと転換していく方針を表明した。

地球温暖化の影響で死滅する森林が急増しているためで、温暖化に対応できる混合樹林を増やすことで森の減少による二酸化炭素(CO2)排出量の増加を防ぐ狙いだ。

トウヒは根が浅いことから、雨が少ないと十分な量の水分を確保できず、立ち枯れしたり、キクイムシの被害を受けたりしやすくなる。

VW:フォルクスワーゲン―3Dディスプレーのシーリアルに出資―

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)グループ(ヴォルフスブルク)は8月30日、3Dディスプレーの有力技術を持つシーリアル・テクノロジーズ(SeeReal Technologies)に少数株主として出資すると発表した。

シーリアルが持つ拡張現実技術を活用して運転の安全性と快適性を向上させることが狙い。

VWとは昨年末から研究協業しており、今回の出資金を自動車分野の技術開発に投入する意向だ。

Fujitsu:コメ銀が富士通の技術活用、証券組み合わせの最適化を実証

富士通は8月30日、独コメルツ銀行の研究機関マイン・インキュベーターが、量子現象に着想を得た組合せ最適化問題を高速に解く富士通の計算機アーキテクチャー「デジタルアニーラ」を活用し、成果を上げたと発表した。

自動車メーカーは流動資産の管理を最適化するためにカーリース契約を証券化して投資家に売却する。

富士通は「マイン・インキュベーターのPoCでは、実業務においてもそれが実証された」としている。

Taunus Sparkasse:貯蓄銀と信用組合が支店を大幅に統合へ

フランクフルトを中心とする地域で事業を展開するタウヌス貯蓄銀行とフランクフルト人民銀行(信用組合)が支店の大部分を統合する。

ネットバンキングの利用増を受けて、金融機関の支店を利用する顧客は減少し続けている。

両行はこうした現状を踏まえ、支店の多くを共有することを決定した。

協定賃金が2年来の伸びに、第2四半期3.8%

労働組合と雇用者団体が締結する協定賃金(特別手当込み)が第2四半期(4~6月)は前年同期比で3.8%上昇し、2年来(8四半期来)の大きな伸びを記録したことが、ドイツ連邦統計局の発表で分かった。

第2四半期のインフレ率(消費者物価の上昇率)は前年同期比で1.6%にとどまっており、協定賃金を受け取る被用者の実質収入は大幅に増加したことになる。

公共サービス部門の協定賃金は5.3%上昇した。

東部二州で極右が第二党に躍進、「怒れる有権者」を大量に取り込む

AfDはCDU、SPD、急進左派の左翼党など既存政党から有権者を奪い取ったほか、前回選挙を棄権した有権者を大量に獲得することに成功した。

だが、AfDが右傾化し不満と不安を強く煽るようになったことで一転。

ただ、有権者のなかにはAfDの政策方針を支持するというよりも既存政党に再考を促す狙いでAfDに投票した者も多い。

Wirecard:ワイヤーカード

金融サービス大手の独ワイヤーカードは2日、ソフトバンクの完全子会社で移動端末の卸売事業を手がける米ブライトスターと協業合意したと発表した。

これ以外の分野でも協業を検討していく。

ソフトバンクとは4月に戦略協業合意を締結した。

Continental:コンチネンタル―パワートレイン部門の分離検討へ―

自動車部品大手の独コンチネンタル(ハノーバー)は2日、パワートレイン部門の分離(スピンオフ)を検討することを決議したと発表した。

IPOは当初、今年下半期を予定していたが、市場環境が悪化したことから、来年以降に延期することを4月に決定。

IPO環境の改善のめどが立たないなかでIPOに固執していると、パワートレイン部門が柔軟に活動できる状況を早期に作り出すという所期の目的が達成できなくなると判断した。

9月の法令改正

・難民申請を拒否された者の送還に向けて身柄を拘束するためのハードルを従来よりも引き下げ。

身元解明に協力しない難民にはペナルティ(8月21日付施行)

多重婚者のドイツ国籍取得が不可能に(8月9日付施行)

IAA出展数が2割減少、環境保護団体は会場前でデモ計画

独自動車工業会(VDA)は2日、今月12日に開幕するフランクフルト国際モーターショー(IAA)の出展数が2年前の前回を20%下回る800にとどまることを明らかにした。

一般公開(14~22日)に合わせて環境保護団体の抗議活動が予定されていることもあり、厳しい状況となりそうだ。

これを追い風に環境保護活動が活発化しており、今回のIAAに対しては抗議活動が計画されている。

Karstadt:カールシュタット・カウフホーフ―樹脂製レジ袋全廃へ―

同社は声明で、在庫が来年上半期になくなり次第、樹脂製レジ袋の提供を停止することを明らかにした。

デパートや衣料品店では樹脂製レジ袋の全廃が難しいと目されてきた。

樹脂製のレジ袋には雨の日でも購入した服が濡れず、販売減を緩和するというメリットがあるものの、同社は全廃に踏み切る。

PTScientists:PTサイエンティスツ―自社売却―

宇宙開発のスタートアップ企業である独PTサイエンティスツ(ベルリン)は2日、航空宇宙分野の企業に1日付で身売りしたと発表した。

売却先企業と売却額は公表しないことで合意しており不明。

PTは宇宙輸送サービスの米スペースXのロケット「ファルコン9」を利用して着陸船と探索機を2021年に月へと送り込み、米国の宇宙船「アポロ17号」が1972年に置き去りにした探査機を撮影することを計画している。

VW:フォルクスワーゲン―アフターサービス強化、電動車の増加にらみ―

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)グループ(ヴォルフスブルク)は2日、車両の販売後に顧客に提供するサービス(アフターサービス)事業の強化方針を打ち出した。

電動車の販売が今後増えると、修理コストが低下しアフターサービス事業の縮小につながる恐れがあることから、サービス対象となるグループブランドの車両数を増やすほか、デジタルサービスを活用することで、同事業売上の拡大基調を保つ意向だ。

30年にはアフターサービスの対象となるグループ車両の10~15%を電動車が占めると予想している。

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