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2010/2/17

経済産業情報

ファッション見本市cpd、地盤沈下が進む

この記事の要約

デュッセルドルフの国際ファッション見本市「cpd」が9日、終了した。開催期間中の訪問客は約2万人で、前年2月比で2%増、前回7月比では6%増と回復したものの、出展者は519社で最盛期から3分の2も減少。今後の存続が危ぶま […]

デュッセルドルフの国際ファッション見本市「cpd」が9日、終了した。開催期間中の訪問客は約2万人で、前年2月比で2%増、前回7月比では6%増と回復したものの、出展者は519社で最盛期から3分の2も減少。今後の存続が危ぶまれている。

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ドイツでは2005年からベルリンでもファッション見本市が始まった。開催日は1月後半でcpdの1~2週間前に当たる。ベルリンは都市としての知名度が高く、おしゃれなイメージも強いため、デュッセルドルフは苦戦を強いられている。

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デュッセルドルフのあるノルトライン・ヴェストファーレン州には国内の繊維・衣料メーカー1,235社の26%(325社)が集中し、これら企業の売上高は独業界全体(217億ユーロ)の3分の1を占める。このため、cpdの存続を望む地元の声は強い。

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だが、大手メーカーのゲリー・ウェーバーやトム・テイラー、トミーヒルフィガーは数年前から見本市にも、ファッションショーにも参加せず、この時期に市内のショールームで独自の企画を実施。cpd開催に「ただ乗り」している。地元企業のゲリー・ウェーバーは今回の見本市ではファッションショーを実施し、見本市会場「Halle 30」の新設に投資することも決定したが、同見本市が失った魅力を取り戻すことは困難だと指摘する。

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 ベルリン州政府は1月後半に開催された見本市「ベルリン・ファッションウィーク」に7,000万~1億ユーロをつぎ込んだと言われる。一方、デュッセルドルフ市の見本市予算は数百万ユーロにすぎず、対抗するのは難しい状況だ。

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