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2010/4/14

総合 - ドイツ経済ニュース

従業員のプライバシー強化へ、政府がデータ保護法改正

この記事の要約

トーマス・デメジエール連邦内相は3月31日、連邦データ保護法の改正案を発表した。従業員のプライバシーを強化することが狙いで、今後、関連省庁との調整を経て夏季休暇前に閣議かける意向だ。\ ドイツでは最近、大手企業が従業員の […]

トーマス・デメジエール連邦内相は3月31日、連邦データ保護法の改正案を発表した。従業員のプライバシーを強化することが狙いで、今後、関連省庁との調整を経て夏季休暇前に閣議かける意向だ。

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ドイツでは最近、大手企業が従業員のビデオ監視や血液検査を行っていたことが相次いで発覚し、大きな社会問題となっている。こうした問題は個々の裁判で司法判断が示されるものの、判決内容に統一性はない。与党はこうした問題を踏まえ、従業員のプライバシー保護に関する章をデータ保護法に設けることで昨年秋に合意した。

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内相案通りに法改正が行われると、企業は従業員を採用する際、業務への適正を判断するうえで必要な情報しか質問できなくなる。例えば、家具包装業務で応募した求職者に対し腰痛持ちかどうかをたずねることはできるが、秘書の求職者に健康診断を要求することは違法となる。

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職場に監視カメラを設置することは原則として禁止される。例外的に認められるのは、職場内で従業員が盗みを行った具体的な容疑がある場合などに限られる。電話の盗聴や電子メールのチェックが許されるのも汚職の疑いがある場合などに限られる。その際、個々の従業員を対象にチェックを行うことはできるが、全従業員を一律にチェックすることは許されない。

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内相はGPS(全地球測位システム)を利用した営業職員の監視にも明確な基準を導入する考えで、利用できるケースを◇従業員の安全を確保する◇どの職員をどこに向かわせるかを決める――のに必要な場合などに制限。「社員がどこで昼食を食べているかをチェックする」(デメジエール内相)ことなどは禁止する。

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