かつて一世を風びした広告代理店Springer & Jacobyは7日、地元ハンブルクの区裁判所に倒産申請を行った。同社のオーナールッツ・シャフハウゼン氏は業界誌『W&V』に対し「もはや救済できない」と明言しており、会社清算が避けられない状況だ。
\Springer & Jacobyは1979年、Eiler & Riemelの社名で創業、1980~90年代に斬新な広告を武器に急成長を遂げ、98年にはカンヌ国際広告祭の金獅子賞を受賞した。
\経営が傾き出したのは創業者のラインハルト・シュプリンガーとコンスタンティン・ヤコービーが退任した後で、主要社員が月単位で目まぐるしく入れ替わる異常な事態に陥った。2006年には13年続いたMercedesとの契約を打ち切られ、売り上げが一気に3分の1減少。同年にSpringer & Jacobyを買収したシャフハウゼン氏は再建に計1,300万ユーロを投じたが、事態は改善しなかった。同社の買収に関心を示していた企業は財務内容を見て尻込みしたという。
\Springer & Jacobyの顧客リストにはかつてDeutsche Telekom(電機通信)、Lufthansa(航空)、Reemtsma(たばこ)など名だたる大手企業が名を連ねていた。ピーク時に300人を超えた従業員は激減、最後まで残った30人も3月末日付で解雇された。
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