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2010/6/9

企業情報

Siemens AG―Arevaとの合弁で欧州委がカルテル捜査―

この記事の要約

欧州連合(EU)の欧州委員会は2日、独電機大手のSiemensと仏国営原子力会社Arevaに対しカルテル捜査を開始したと発表した。両社が2001年に原発合弁会社Areva NPを設立した際の合弁契約に含まれる条項が競争法 […]

欧州連合(EU)の欧州委員会は2日、独電機大手のSiemensと仏国営原子力会社Arevaに対しカルテル捜査を開始したと発表した。両社が2001年に原発合弁会社Areva NPを設立した際の合弁契約に含まれる条項が競争法に違反している疑いがあるという。同条項の違法性を欧州委に訴えたのはSiemens自身であり、自ら調印した契約に自ら文句をつける格好となった。背景にはArevaとの合弁関係をできるだけ早期に有利な条件で解消したいという思惑がある。

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Siemensは昨年初頭、Areva NPへの出資比率が34%と低く経営上の主導権を握れないことを不満として、同合弁からの撤退方針を発表した。その際に問題となったのが今回の条項。同条項に従うと、Siemensは合併解消後8年間、原発事業に従事できない。

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世界では2030年までに400基もの原発新設が見込まれており、Siemensは原発事業を速やかに拡大したい考え。このため同条項に従う意向はなく、合弁解消方針を発表した2カ月後にはArevaの競合である露Rosatomと合弁設立で基本合意した。

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ただ、Arevaとの合弁が正式に解消されない限り、Rosatomとの合弁事業は展開できない。SiemensはArevaと持ち株34%の売却価格についても対立しており、合弁の早期解消は難しい。

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