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2010/6/9

経済産業情報

遺伝子組み換えトウモロコシ種子が混入

この記事の要約

ドイツで栽培が禁止されている遺伝子組み換え(GM)トウモロコシの種子が非GM種子に混入していたことが発覚した。ニーダーザクセン州ブクステフーデの種苗業者Pioneerが販売していたもので、欧州連合(EU)が認可していない […]

ドイツで栽培が禁止されている遺伝子組み換え(GM)トウモロコシの種子が非GM種子に混入していたことが発覚した。ニーダーザクセン州ブクステフーデの種苗業者Pioneerが販売していたもので、欧州連合(EU)が認可していない米モンサント製の除草剤耐性トウモロコシ「NK603」が含まれていた。種子の流通先はバーデン・ヴュルテンベルク(BW)、バイエルン(BA)など国内7州に上る。環境団体グリーンピース(GP)が6日公表し、ニーダーザクセン州農業省が追認した。

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GPによると、GM種子の混入率は0.1%未満で、1ヘクタール当たり100本の計算となる。ニーダーザクセン州農業省は2月中旬から3月初めの段階でGM種子混入の事実をつかんでいたにもかかわらず、連邦環境省にその事実を報告したのは2カ月後の4月末と遅く、すでにほとんどの州で播種が終わっていた。

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ニーダーザクセン州農業省の発表によると、種子の流通先はBW、BA州のほか、ブランデンブルク(BB)、メクレンブルク・フォアポンメルン(MV)、ニーダーザクセン(NS)、ノルトライン・ヴェストファーレン(NRW)、シュレスヴィヒ・ホルシュタイン(SH)で計7州。このうちNRWでは、当該の種子は栽培されていない。

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GM混入種子が播かれてしまった農地について、流通先の州当局は対応を検討中だ。畑地の管理を厳格化する、収穫したトウモロコシは食用にせず全てバイオ燃料に使用するなどの条件をつけて引き続き栽培を認めることも可能だが、実際には全て廃棄処分になるとの見方が強い。

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GM混入種子が播かれた後の損害については種子生産者に補償責任がある。これに対しPioneerは、「社内調査および独立機関に依頼した2件の調査で、種子は完全に欧州連合(EU)の規定にのっとって生産されたことが確認された」として過失を否定。作物の廃棄処分などによる損害の補償を一切拒否する構えを示している。

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