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2011/10/26

経済産業情報

「中国製太陽電池に反ダンピング関税を」、米政府に要請

この記事の要約

太陽電池大手の独ソーラーワールドは19日、中国製太陽電池に反ダンピング関税を課すことを求める請願書を米同業数社と共同で、米商務省と米国際貿易委員会(ITC)に提出したと発表した。中国メーカーが自国政府の不当な支援策を受け […]

太陽電池大手の独ソーラーワールドは19日、中国製太陽電池に反ダンピング関税を課すことを求める請願書を米同業数社と共同で、米商務省と米国際貿易委員会(ITC)に提出したと発表した。中国メーカーが自国政府の不当な支援策を受けて製品を低価格で販売・輸出していると批判している。同社は欧州連合(EU)の欧州委員会にも同様の要請を行う予定だ。

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世界の太陽電池市場では中国メーカーの廉価品が急増し、欧米メーカーはシェアや競争力が急速に低下。セル大手の米Solyndraは9月に経営破たんへと追い込まれた。独Qセルズも資金繰りが大幅に悪化しており、今月10日には社債償還期限の延長を社債権者に要請した。

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ソーラーワールドなど今回の請願に加わった企業は中国メーカーの価格競争力の背景に同国政府の不当な助成政策があると分析。請願書では世界貿易機関(WTO)のルールに抵触する不当な助成プログラムが50以上あると訴えた。

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特に問題視しているのは低利融資政策だ。ソーラーワールドのアスベック社長は『ファイナンシャル・タイムズ(ドイツ版)』紙に対し、「中国の国営銀行は2%未満の低金利で無制限の融資を行っている」と批判した。

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米商務省は近年、中国製品に反ダンピング関税を課しており、今回の請願に加わった企業は太陽電池でも同様の措置を取ると見込んでいる。中国の太陽電池大手サンテックはこの動きを保護主義と批判。通商戦争に発展すれば世界経済と温暖化防止の取り組みが大きな打撃を受けるとの見方を示した。

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