独産業連盟(BDI)、独建設業全国連盟(HDB)などの産業団体は21日、政府にコンクリート橋梁の補修予算拡大を求める共同声明を発表した。特にアウトバーンの橋梁で劣化や損傷が深刻化しており、補修・補強に向けて2012~16年の5年間に27億5,000万ユーロの追加投資が必要と訴えた。
\産業団体が同日発表した鑑定結果によると、1960~70年代に西部ドイツで建設された橋梁の多くでコンクリートのひび割れ、剥離・剥落、鋼材腐食などの損傷が進んでいる。建設当初の見込みを上回る交通量の増加に加え、過積載の40トントラックや重量貨物輸送(車両総重量最大150トン)の増加で想定以上の負荷がかかっていることが原因だ。橋長100メートル以上の大型橋梁で特に劣化が目立ち、ノルトライン・ヴェストファーレン州だけでも今後10年に大型橋梁300本の補修が必要になると見込まれる。アウトバーンA45号線(ドルトムント~ガンバッハ・インターチェンジ間)、A81号線(ミュンヘン~ザルツブルク間)などでは補修工事が早急に必要ほど損傷が激しいという。
\橋梁の損傷で最も影響を受けるのは、通行止めや重量規制などの措置によって迂回を余儀なくされるトラック輸送業界だ。ハンブルクのある陸運業者は「3~4年前まではハンブルクからルール地方までの走行距離が450キロメートルだった。現在は700キロを走らなければならない」と不満を示す。
\HDBのミヒャエル・クニッパー会長は「欧州の重要な物流拠点であるドイツにとって、効率的な交通インフラは必要不可欠。安全な橋梁なしに増え続ける物流需要を支えていくことはできない」と述べ、早急な投資を促した。
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