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2011/11/9

企業情報

Commerzbank AG―7-9月期赤字に、ギリシャ問題直撃で―

この記事の要約

独大手銀行Commerzbank(フランクフルト)が4日発表した2011年7-9月期(第3四半期)決算の最終損益は6億8,700万ユーロの赤字となり、前年同期の黒字(1億1,300万ユーロ)から大幅に悪化した。ギリシャ国 […]

独大手銀行Commerzbank(フランクフルト)が4日発表した2011年7-9月期(第3四半期)決算の最終損益は6億8,700万ユーロの赤字となり、前年同期の黒字(1億1,300万ユーロ)から大幅に悪化した。ギリシャ国債で評価損7億9,800万ユーロを計上したことが影響。営業損益も1億1,600万ユーロの黒字から8億5,500万ユーロの赤字へと転落した。同行はユーロ圏財政危機問題の先行きが読めないとして、今年と来年の業績予測を撤回した。

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Commerzbankは第2四半期にもギリシャ国債で7億6,000万ユーロの評価損を計上した。第3四半期に改めて計上したのは、欧州連合(EU)が先月26日の首脳会談でギリシャ国債を保有する民間銀行に50%の債権放棄を求める決定をしたためだ。

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同行はこれまで、2011年通期の営業利益で前年実績(14億ユーロ)を大幅に上回る水準を予想。2012年については同40億ユーロの達成を目標に据えていた。だが、ユーロ危機を背景に市場の混乱が当面続くと判断、目標を撤回した。

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同社は経営リスクを低減するために、不採算の不動産金融子会社Eurohypoで新規事業を停止するほか、ドイツとポーランド以外での新規融資も凍結する。また、出資の縮小や内部保留の拡大も進めて自己資本比率を改善。域内銀行の中核的自己資本比率を来年6月末までに9%まで引き上げるとしたEU首脳会談の合意に対応する。

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コスト削減も進める方針で、サービス業務の外部委託打ち切りを検討する。

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