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2011/11/16

企業情報

Allianz SE―ユーロ危機が直撃、7-9月期は80%の最終減益に―

この記事の要約

保険大手の独Allianz(ミュンヘン)が11日発表した2011年7-9月期(第3四半期)決算の最終利益は2億5,800万ユーロとなり、前年同期比で79.7%減少した。国債や株式などの有価証券で評価損9億3,100万ユー […]

保険大手の独Allianz(ミュンヘン)が11日発表した2011年7-9月期(第3四半期)決算の最終利益は2億5,800万ユーロとなり、前年同期比で79.7%減少した。国債や株式などの有価証券で評価損9億3,100万ユーロを計上したことが響いた格好。同社は第2のギリシャとなることが懸念されるイタリアの国債を大量に保有しており、業績は今後も圧迫されそうだ。

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Allianzは9月末時点で総額4,135億ユーロの公社債(簿価)を保有していた。イタリア国債はこのうちの256億ユーロで、全体に占める割合は6.2%に上る。これはスペイン国債(同1.2%)、ポルトガル国債(0.2%)、ギリシャ国債とアイルランド国債(0.1%)に比べ高い。簿価を今後、時価の水準まで引き下げれば巨額な損失を計上する恐れがある。

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ギリシャ国債については第3四半期に評価損1億9,800万ユーロを計上した。すでに第2四半期の時点で同6億6,400万を計上し簿価を50%引き下げており、同国債で今後、巨額の損失を計上する恐れはない。

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本業のもうけを示す営業利益は前年同期比7.3%減の19億600万ユーロと小幅後退にとどまった。生保・健保部門は20.6%減の5億2,000万ユーロ、損保は1.0%減の11億1,100万ユーロで、資産管理は3.1%増の5億3,700万ユーロに拡大した。

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