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2011/11/16

経済産業情報

中国航空機メーカー、独部品産業との提携に意欲

この記事の要約

中国の航空機メーカー・中国商用飛機(COMAC)がドイツの航空部品業界に熱い視線を送っている。同社は初の中型旅客機「C919」を開発しており、高い技術力を持つ独メーカーとの提携が不可欠なためだ。部品メーカーは欧州EADS […]

中国の航空機メーカー・中国商用飛機(COMAC)がドイツの航空部品業界に熱い視線を送っている。同社は初の中型旅客機「C919」を開発しており、高い技術力を持つ独メーカーとの提携が不可欠なためだ。部品メーカーは欧州EADSと米ボーイングに次ぐ第3の大口顧客からの受注に大きな期待を寄せている。9日付『ハンデルスブラット』紙が報じた。

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COMACは2008年に上海で設立された航空機メーカーで、主要株主には中国政府や上海市政府が名を連ねる。中国政府は同社と姉妹会社の航空エンジンメーカーACEAにそれぞれ100億ドルを拠出するなど、資金は潤沢だ。C919はエアバス「A320」、ボーイング「737」の競合モデルと位置付けられており、今年6月のパリ国際航空ショーではコクピット部分の原寸大模型を展示して欧米の航空機業界関係者に衝撃を与えた。

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COMACの取引先はこれまでのところ、ハネウェル、ロックウェル・コリンズ、ゼネラル・エレクトリックといった米国メーカーが多く、独大手で部品を供給するのはLiebherrにととどまる。

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同社は今月初め、バイエルン州経済相とともに訪中した同州の航空部品業界10社の代表と会談し、提携を強く呼びかけた。年内だけでも200件の発注案件があるという。

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会談に参加したエンジンメーカーMTUの関係者は「技術パートナーとしてできるだけ早く開発プロジェクトに参加したい」と述べ、提携に前向きな姿勢を示した。EADSの部品子会社Premium Aerotecも「我々の販売構造を多様化させる好機」ととらえている。

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