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2011/11/16

経済産業情報

住宅市場に冷却化の兆し=スイス

この記事の要約

過去12年にわたって上昇が続いてきたスイスの住宅価格にブレーキがかかりだした。新築物件数が増え需給が緩和したほか、スイスフラン高と世界経済の冷え込みで国内経済が鈍化していることなどが主因。一部の地域では価格が大幅に下落す […]

過去12年にわたって上昇が続いてきたスイスの住宅価格にブレーキがかかりだした。新築物件数が増え需給が緩和したほか、スイスフラン高と世界経済の冷え込みで国内経済が鈍化していることなどが主因。一部の地域では価格が大幅に下落する懸念もあるという。11日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。

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スイスではリーマン破たん直後の2008年から低金利政策が行われている。住宅金利が下がった結果、マイホームを購入する住民やスイスに移り住む外国人が急増、住宅需要が拡大した。特にチューリヒ市とジュネーブ市で不動産価格の上昇が著しい。スイス金融大手UBSが3日発表した2011年第3四半期の不動産バブル指数は前期比0.13ポイント増の0.58(0~1=ブーム、1~2=リスク、2以上=バブル)で、ブームはなおも続いている。

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だが、チューリヒ州が裕福層の外国人に対する税制優遇措置を先ごろ打ち切ったことで、同州に集中していた需要の一部が州内の立地条件のやや悪い物件や周辺の州に分散し、価格上昇は鈍化した。業績悪化を受けて米化学大手ハンツマンがバーゼルで500人、製薬大手ノバルティスもバーゼルとニヨンで1,000人を削減する計画を打ち出したことも不動産市場に影を落としそうだ。UBSは、チューリヒ湖の両岸とジュネーブ湖の周辺(ニヨン、ジュネーブ、ローザンヌ)などで住宅バブルが崩壊するリスクが高いとして警戒している。

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