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2011/11/23

企業情報

BMW―炭素繊維大手SGL株15%超を取得―

この記事の要約

自動車大手のBMW(ミュンヘン)は18日、戦略提携先の炭素繊維メーカーSGL Carbonの株式15.16%を取得したと発表した。BMWの大株主である投資会社SkionはすでにSGL株を約29%保有しており、両社はSGL […]

自動車大手のBMW(ミュンヘン)は18日、戦略提携先の炭素繊維メーカーSGL Carbonの株式15.16%を取得したと発表した。BMWの大株主である投資会社SkionはすでにSGL株を約29%保有しており、両社はSGL株を合わせて約44%確保。過半数株を下回っているものの、株主総会に出席しない株主も多いため、総会での過半数を実質的に制した格好だ。取引金額は公表していない。

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BMWは車両軽量化に向けてSGLと共同で合弁会社を2009年に設立、炭素繊維素材の開発・生産に取り組んでいる。同合弁で生産される炭素繊維はBMWが2013年に市場投入する電気自動車「BMW 13」と「BMW i8」に投入される予定だ。

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SGLに対してはBMWの競合Volkswagen(VW)が2月に資本参加(8.18%)した。10%以上に引き上げる計画はないとしているものの、SGLへの影響力行使や買収を狙っている可能性を排除できず、BMWは今回の出資でVWを強くけん制した格好。メディア報道によると、BMWのライトホーファー社長とSkionオーナーのクラッテン氏はVWのピエヒ監査役会長とヴィンターコルン社長を信用していないという。

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BMWのSGL株取得にSkionは関与してないもようだ。Skionの広報担当者はロイター通信に対し「BMWの取締役会が自らの責任で決定した」と明言した。SkionがSGLを買収する計画もないとしている。

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クラッテン氏はBMW株を計46%以上持つ富豪クヴァント一族の1人で、12.6%を保有している。

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