収益の見込みのない住宅ローン担保債券(MBS)を購入させて大手信用組合5行を破たんさせたとして全米協同組織金融機関監督庁(NCUA)が大手銀行17行に損害賠償を求めている問題で、NCUAは14日、ドイツ銀行と和解が成立したと発表した。ドイツ銀は1億4,500万米ドルを支払う。
\NCUAの訴えによると、ドイツ銀のほかJPモルガン・チェース、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)、ゴールドマン・サックスなどの17行は連邦住宅抵当金庫(Fannie Mae)と連邦住宅貸付抵当公社(Freddie Mac)にMBSを販売した際、不良債権化リスクの高い案件が含まれていたにもかかわらず十分な説明を行っていなかった。これらのMBSの価値はサブプライム問題で住宅バブルが崩壊した07年に急落、そのあおりを受けた米信金大手5行が倒産に追い込まれた。NCUAは破たんした信金の損失補てんで09年からこれまでに33億米ドルの損害を余儀なくされている。
\ドイツ銀の担当者は和解金の支払いについて、「裁判に持ち込まれるより損失が少ないと判断した」とコメント。あくまで損得勘定の結果であり非を認めたためではないと強調した。
\NCUAは同日、米シティグループとも2,020万ドルの和解金で合意した。
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