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2011/11/30

企業情報

Deutsche Telekom AG―米子会社の売却で審査申請取り下げ―

この記事の要約

通信大手のDeutsche Telekom(ボン)が米移動通信サービス事業(T-Mobile USA)を競合のAT&Tに売却する計画について両社は24日、米連邦通信委員会(FCC)に提出していた審査申請を取り下 […]

通信大手のDeutsche Telekom(ボン)が米移動通信サービス事業(T-Mobile USA)を競合のAT&Tに売却する計画について両社は24日、米連邦通信委員会(FCC)に提出していた審査申請を取り下げたと発表した。FCCが同取引に対し独禁法上の疑義を提示し公聴会を含む本格調査を実施する方針を打ち出したことに対応。本格調査には時間がかかることから両社はFCCへの審査申請をひとまず取り下げ、まずは米法務省の承認を取り付ける意向だ。FCCには時機を見て審査を再申請するとしている。

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Deutsche Telekomは3月、T-Mobile USAをAT&Tに390億ドルで売却する契約を締結した。これに対し米司法省は8月、取引が成立すると米国の移動通信サービス市場で寡占が強まり料金上昇などの悪影響が出るとしてワシントンD.C.の連邦地方裁判所に提訴。FCCも22日、同様の判断から本格調査方針を打ち出した。

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同取引に対する司法省の承認を両社がどのようは方法で取り付けようとしているかは不明。

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米国の移動通信市場ではAT&T、Verizon、Sprint Nextel、T-Mobile USAの4社が9割以上のシェアを握っており、取引の成立は当初から危ぶまれていた。取引が不成立となった場合、AT&TはDeutsche Telekomに対し違約金60億ドルの支払いを余儀なくされる恐れがある。また、Deutsche Telekomは不採算のT-Mobile USAを今後も抱え続けることになる。

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