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2011/11/30

企業情報

Novartis AG―製品の供給停止先を拡大―

この記事の要約

製薬大手のNovartisから製品供給を停止されるドイツの医薬品卸会社が増加している。当初はGehe(Celecio子会社)1社だけだったが、11月に入ってからは独最大手のPhoenixやSanacorpも供給も打ち切ら […]

製薬大手のNovartisから製品供給を停止されるドイツの医薬品卸会社が増加している。当初はGehe(Celecio子会社)1社だけだったが、11月に入ってからは独最大手のPhoenixやSanacorpも供給も打ち切られた。国内医薬品卸市場における3社のシェアは計50%を超えており、Novartisの措置が長期化すると医薬品を服用できない患者が出てくる恐れもある。

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Novartisと医薬品卸会社は現在、代金の支払い条件をめぐって争っている。Novartisはこれまで、通常の支払期日よりも早く支払った取引先に対し、1.5%の割引を認めていたが、最近になってこれを0.55%に引き下げる方針を打ち出した。2010年に導入された特許薬の強制割引制度によって、ドイツの事業環境が悪化したことが背景にある。

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一方、医薬品卸会社も医療制度改革の影響で利益率が低下しており、『ハンデルスブラット』紙によると、業界の税引き前利益率は1%を割り込んでいる。Gehe、Phoenix、Sanaorpの3社は「割引率を下げられると経営が成り立たなくなる」として新条件の受け入れを拒否。従来通り1.5%引きで代金を支払ったところ、供給を停止された。

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薬局は複数の卸業者と取引しており、3社以外の業者を通してNovartis製品の仕入れができるため、これまでのところ小売への影響は出ていないという。

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