他人に損害を与えた場合は故意、過失を問わず賠償を行わなければならない。この原則は労使関係にも適用される。ただ、被用者の賠償義務は軽度の過失であれば全面的に免除され、中度の過失でも部分的に免除される。原則的に全額を賠償しなければならないのは重過失と故意のケースに限られる。この問題に関する係争でオーバーハウゼン労働裁判所が11月24日に判決(訴訟番号:2 Ca 1013/11)を下したのでここでお伝えする。
\裁判を起こしたのは家電販売店で製品技術に関するアドバイスを担当していた販売員。顧客に製品の説明をしていた2011年5月5日の19時半ごろ、倉庫から高額の携帯端末が12台盗まれ、被告企業に6,040ユーロの損害が発生した。
\雇用主はこれを受け5月の給与支給を停止した。給与を全額天引きすることで原告に賠償金を支払わせようとしたのである。原告はこれを不当として提訴した。
\オーバーハウゼン労裁はこの訴えを全面的に認める判決を下した。判決理由で裁判官は、原告の過失の程度は極めて軽いとの判断を示した。
\上級審のデュッセルドルフ州労働裁判所への控訴が認められており、裁判は確定していない。
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