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2011/12/14

総合 - ドイツ経済ニュース

技能労働者の移住基準緩和へ、「ブルーカード」導入法案を閣議決定

この記事の要約

ドイツ政府は7日の閣議で、欧州連合(EU)域外からの技能労働者移住に関する法案を了承した。2009年に成立したEU指令を国内法に転換するもので、高い技能を持つ移民にEU共通の労働許可証「ブルーカード」を発行。移住の基準を […]

ドイツ政府は7日の閣議で、欧州連合(EU)域外からの技能労働者移住に関する法案を了承した。2009年に成立したEU指令を国内法に転換するもので、高い技能を持つ移民にEU共通の労働許可証「ブルーカード」を発行。移住の基準を引き下げ優秀な人材を確保する意向だ。法案は今後、連邦議会(下院)と連邦参議院(上院)で審議・採決される。

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ブルーカード導入は、発展途上国から多くの人材を集めている米国などに対抗して、域外の技能労働者がEUに簡単に移住できる環境を整え、少子高齢化に備えて労働力を確保するのが狙い。米国のグリーンカード制度をモデルにしたもので、医師、看護師、エンジニアなど技能労働者を対象に発行する。

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独政府はEU指令を踏まえ、年間給与(支給額ベース)が4万4,000ユーロ以上の大卒者を対象に新たな滞在資格「ブルーカードEU」を導入する。資格は労働局の煩雑な審査なしに与えられ、IT技術者や医師など人材不足が著しい職種の有資格者については給与の下限を3万3,000ユーロに引き下げる。同資格で移住した外国人は2年間、働けば永住権を取得できるほか、呼び寄せた家族は入国直後から無制限で就労できる。

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ドイツはこれまで、年収6万6,000ユーロ以上の移民に対しては入国当初から永住権を付与してきた。今後はこれを4万8,000ユーロ以上に引き下げる。また、ドイツの大学を卒業した外国人に対しては国内で2年間、就労すれば永住権を与えることも法案に盛り込んだ。

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