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2011/12/14

経済産業情報

市販の鎮痛剤、購入制限へ 安易な服用受け

この記事の要約

独連邦医薬品・医療機器審査局(BfArM)が、市販の鎮痛剤の購入に制限を設けることを検討している。安易な長期服用や過剰服用による健康被害を防止することが目的で、アセチルサリチル酸、ジクロフェナクなど6種類の有効成分に対し […]

独連邦医薬品・医療機器審査局(BfArM)が、市販の鎮痛剤の購入に制限を設けることを検討している。安易な長期服用や過剰服用による健康被害を防止することが目的で、アセチルサリチル酸、ジクロフェナクなど6種類の有効成分に対し最大包装量を4日分に制限する方向。BfArMの専門家委員会は来年1月の会合で詳細を詰め、医薬品メーカーや医療関係者の支持を得たい考えだ。6日付『南ドイツ新聞』が報じた。

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エアランゲン大学の薬学専門家は、「市販の鎮痛剤は処方箋がなくても手軽に購入できることから、“副作用のない無害な薬”と勘違いしている人が多い」と述べたうえで、実際には胃の不調や潰瘍、消化管の出血、肝障害、腎機能障害、ぜんそく、心臓発作などの重大な副作用を起こす恐れがあると指摘する。特にアセチルサリチル酸やアセトアミノフェン(パラセタモール)の過剰摂取は危険で、命を落とすケースもある。また長期服用は鎮痛剤依存症を引き起しかねない。

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薬局関係者は、最大包装量を4日分に制限することは意義が大きいとして新案を評価する。一方、製薬業界は販売が落ち込む可能性があるほか、パッケージの変更にコストがかかるなどとして、懸念を示している。

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