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2011/12/21

総合 - ドイツ経済ニュース

熱電併給の助成拡大へ、改正法案を閣議了承

この記事の要約

連邦政府は14日、熱電併給法(KWKG)改正案を閣議了承した。エネルギー効率が高い熱電併給システム(コジェネレーション、KWK)への助成を拡大することで新規設置と設備更新を促し、発電量全体に占めるKWKの割合を現在の約1 […]

連邦政府は14日、熱電併給法(KWKG)改正案を閣議了承した。エネルギー効率が高い熱電併給システム(コジェネレーション、KWK)への助成を拡大することで新規設置と設備更新を促し、発電量全体に占めるKWKの割合を現在の約15%から2020年までに25%に引き上げる政府目標の達成を目指す。2012年夏季休会前の施行を見込む。

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KWKGは2002年に制定され、09年に改正法が施行された。KWKの普及に向けて新設や老朽設備の交換に補助金を出すことを定めている。財源は最終消費者が支払う助成負担金でまかなわれる。

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助成拡大に踏み切るきっかけとなったのは、今年9月に発表された報告書だ。同報告書によると、KWKの発電量は2002年の76テラワット時(TWh)から10年には90TWhへと増加。発電量全体に占める割合は1.5ポイント増の15.4%に拡大した。2020年の発電量は現在より10~23TWh増えて99TWh~112TWhに達すると見込まれている。ただ、これはドイツ全体の発電量の20%に過ぎず、現行の助成シシテムを据え置くと政府目標(同25%)の達成が難しい。

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改正案では、欧州連合(EU)排出量取引制度(EU-ETS)の対象となる、2013年以降に稼働を開始したKWKへの補助金を引き上げるとともに、発電設備にKWKを後付けする場合も助成対象に加えられている。また、効率の高い新型設備への切り替えで助成を受けやすくするほか、KWKへの切り替えに伴う温熱供給網の敷設へも支援を行うとしている。

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KWKGでは助成規模が拡大しすぎて消費者に過大な負担を強いることを避けるために、09年の改正法から年間助成額の上限が年7億5,000万ユーロに制限されている。改正法案による追加コストは年1億ユーロ程度が見込まれているが、09年以降の助成額はいずれも上限枠(7億5,000万ユーロ)を大きく下回っており、政府は助成総額が改正法案施行後も同枠内に収まると予想している。

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