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2012/2/1

企業情報

Q-Cells SE―債務超過に―

この記事の要約

経営難の太陽電池大手Q-Cells(ビターフェルトヴォルフェン)は1月24日、子会社と保有資産の評価替えの結果、2011年12月末日時点で債務が資産を上回る債務超過に陥ったことを明らかにした。社債の保有者に対しては債権の […]

経営難の太陽電池大手Q-Cells(ビターフェルトヴォルフェン)は1月24日、子会社と保有資産の評価替えの結果、2011年12月末日時点で債務が資産を上回る債務超過に陥ったことを明らかにした。社債の保有者に対しては債権の部分放棄などを求める意向を示しており、同社は経営破たんの瀬戸際に立たされている。

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債務超過に陥った企業は通常、会社更生手続きの適用申請を行わなければならい。だが、ドイツではリーマンショックに端を発する金融危機を受けて法改正が行われ、中期的に支払い能力がある場合は、同申請義務を免除されるようになった。このためQ-Cellsは同申請を行っていない。

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同社は昨年10月、2月末に期限を迎える転換社債2億400万ユーロを償還できないとして、社債保有者に償還延期を要請した。一部の社債保有者はこれを不当として提訴。フランクフルト地方裁判所は原告の訴えを認める判決を下した。同社は控訴して争う構えだが、これと並行して社債を分割償還していく考えを打ち出している。

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一方、2014年と15年に償還期限を迎える社債については、債権の部分放棄と株式への転換を社債保有者に要請する方針を明らかにした。

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太陽電池の価格急落を受けて業績は今年も低迷するものの、同社は2014年には営業損益(EBITベース)を黒字転換できると主張。経営再建は可能だとしている。

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