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2012/2/1

経済産業情報

北アフリカ太陽発電プロジェクト、第1号はチュニジアに

この記事の要約

北アフリカ、中東に太陽熱などの発電施設を建設し電力を欧州に供給する「デザーテック」プロジェクトを管理・運営するDesertec Foundationは1月24日、初の発電所をチュニジアに建設することを明らかにした。201 […]

北アフリカ、中東に太陽熱などの発電施設を建設し電力を欧州に供給する「デザーテック」プロジェクトを管理・運営するDesertec Foundationは1月24日、初の発電所をチュニジアに建設することを明らかにした。2014年に建設を開始し、16年の稼働開始を見込む。最初の発電所の建設はこれまでモロッコが最有力候補とされていたため、業界関係者には意外感が広がっている。25日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。

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チュニジアに建設する太陽熱発電所「TuNur」は出力が2,000メガワット(2ギガワット)で、欧州の約70万世帯分の電力需要に相当する。電力輸送に向けて地中海海底に送電ケーブルを敷設し、イタリア経由で欧州に供給する。プロジェクトの投資総額は115億ユーロで、このうち15~25億ユーロが海底ケーブル敷設に充てられる。

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TuNurプロジェクトで関係者を驚かせたことは立地だけではない。デザーテックはドイツを中心とする大手企業が09年に立ち上げたプロジェクトで、推進役を務めるDesertec Industial Initiative(DII)のメンバーもほとんどはドイツ企業だ。一方、同建設プロジェクトを受注したのは地中海地域の発電プロジェクト開発を手がける英Nur Energie(ロンドン)とチュニジアの油田開発サービス会社Top Field Servicesを中心とするコンソーシアムで、ドイツ企業は直接的に関与していない。TuNurのティル・ステンツェル社長によると、資金面でも独民間銀行に依存しないという。

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