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2012/2/1

経済産業情報

微細藻類からバイオガス生産、でんぷん系とのミックスで効率向上

この記事の要約

微細藻類からバイオガスを生産する技術の開発に、ボーフム大学(RUB)熱力学講座の研究チームが取り組んでいる。これまでに行った試験では、加熱したり、トウモロコシを一定比率で混ぜるとガス生産効率が高まることなどが明らかになっ […]

微細藻類からバイオガスを生産する技術の開発に、ボーフム大学(RUB)熱力学講座の研究チームが取り組んでいる。これまでに行った試験では、加熱したり、トウモロコシを一定比率で混ぜるとガス生産効率が高まることなどが明らかになった。

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微細藻類は陸上植物に比べ成長が早く(二酸化炭素=CO2=固定化能力が高い)、地球温暖化の原因となるCO2削減に役立つとともに、副産物として良質の脂質、タンパク質といった有用物質を生産する。狭い面積で大量に栽培できることも大きな特徴で、将来のバイオ燃料の1つとして近年、急速に関心を集めている。

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RUBの研究チームによると、微細藻類をバイオガス原料として使用する最大の障壁は、バイオガス生産に通常使われる細菌では藻類の細胞壁をほとんど分解できないことにある。チームはこのため、細胞壁の分解を助ける手法の発見に向け試行錯誤を繰り返している。

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冷凍、超音波照射、高圧処理、電磁波照射、加熱によるバイオガス生産効率を比較した試験では、冷凍と超音波照射で生産効率が2割以上落ちた。一方、圧力処理と電磁波照射ではそれぞれ33%、40%向上。「100度で8時間の加熱」では58%改善した。

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また、とうもろこし(サイレージ/コーン・コブ・ミックス)と微細藻類でバイオガスの発生量を調べた試験では、とうもろこしと微細藻類を一定の比率で混ぜると、それぞれを単独に使用した場合より合計のガス発生量が多くなるシナジー効果が認められた。

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