欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2012/2/1

経済産業情報

携帯3社、新メッセンジャーサービスで協業

この記事の要約

ドイツテレコム、ボーダフォンD2、テレフォニカ・ジャーマニー(O2)の携帯電話サービス大手3社が、携帯テキストメール(SMS)に代わる新たなコミュニケーションツールの開発に向けてアライアンスを結成した。料金の下落に加え、 […]

ドイツテレコム、ボーダフォンD2、テレフォニカ・ジャーマニー(O2)の携帯電話サービス大手3社が、携帯テキストメール(SMS)に代わる新たなコミュニケーションツールの開発に向けてアライアンスを結成した。料金の下落に加え、スマートフォンのインスタントメッセンジャー機能を利用するユーザーが増えたことでSMSサービスの収益性が悪化していることに対応。3社はGSMアソシエーション(GSMA)が策定したマルチメディア通信規格「RCS-e」に準拠したシステムを共同構築し、インスタントメッセンジャーに対抗していく。独週刊誌『フォーカス』が報じた。

\

独情報通信業界連盟(Bitkom)によると、ドイツ国内のSMS送信件数は2006年の201億通から11年には460億通(推定)に増加した。一方、競争激化などを背景に1通当たりの料金は下落しており、フォーカス誌によると、この間の売上高は38億ユーロから28億ユーロへと減少した。また、スマートフォンのインスタントメッセンジャーアプリ(iPhoneの「WhatsApp」など)を利用し、3Gネットワーク経由でメッセージを送るユーザーが増えたことも痛手となっている。ユーザーの多くは定額料金を利用しており、アプリ経由で送るメッセージが増えても通信事業者の売り上げは伸びない。

\

大手3社はこうした状況の打開に向け、GSMAの策定したRCS-e(Rich-Communication Suite enhanced)規格をベースとした新製品を開発する。ボーダフォンの広報担当者はフォーカス誌に対し、◇テキストにとどまらず画像や動画、データも送れる◇相手側の通信環境(通信ネットワークにアクセスしているか、高速データ通信ができるエリア内にいるかなど)が手元のアドレスブックに表示されるため、どのようなデータをメッセージとして送るかで頭を悩ませる必要がない――ことが同規格のメリットだと説明した。

\