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2012/2/1

経済産業情報

個人年金保険、今年は利回りが4%未満に

この記事の要約

個人年金保険の余剰金配当利回り(Ueberschussbeteiligung)が低下している。保険市場調査会社map-reportの調査によると、財形年金保険(契約年齢:30歳、積立額:年1,200ユーロ)の平均利回りは […]

個人年金保険の余剰金配当利回り(Ueberschussbeteiligung)が低下している。保険市場調査会社map-reportの調査によると、財形年金保険(契約年齢:30歳、積立額:年1,200ユーロ)の平均利回りは前年より0.16ポイント低い3.94%となり、調査開始以来初めて4%のラインを割り込むもようだ(グラフ1参照)。法定保証利率の違いから同じ保険商品でも契約した年によって利回りに格差が出る可能性があり、顧客の不公平感を招く恐れがある。1月24日付『南ドイツ新聞』が報じた。

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余剰金配当利回りは保険会社によって大きく異なり、トップのTargo(4.6%)と60位のHDI-Holding(3.39%)では1.21%の開きがある。

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同じ保険商品でも、契約を結んだ年によって利回りに差が出ることがある。カギとなるのは「法定保証利率」だ。これは保険契約に対して金融市場の動向にかかわりなく保証される年利の最低基準。1995~2000年には4%だったが、00年以降は段階的な引き下げが続いている(グラフ2を参照)。全体の利回りが4%を下回った保険会社でも、2000年までの契約に対しては4%の利回りを保証する必要があるため、00年以降契約分の利回りを引き下げることでその穴埋めをしなければならない。Map-reportの試算によると、全体の利回りが3.46%となったZurich Deutscher Heroldでは、00年までの契約の余剰金配当比率が4%となるのに対し、00年以降の契約では3.35%へと引き下げられる。

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